中尾研究室 研究紹介


  1. 生体細胞内分子機構のモデル化とその応用
  2. 生体情報のビッグデータ解析とe-ヘルスケアへの応用
  3. 脳・神経回路ダイナミクス
  4. 睡眠の機能に関する脳神経活動の計測と解析
  5. 生体システム制御機構
  6. 脳・機械インターフェース
  7. バーチャルリアリティと身体性
  8. 胎児心電図を推し測る
  9. 眠気推定で安全を守る
  1. 生体細胞内分子機構のモデル化とその応用
    細胞核の中にある多くの遺伝子は、お互いにさまざまな影響を与え合うことによって、 必要なたんぱく質を適切なタイミングでつくりだす仕組みを持っています。 これは、1個1個の細胞だけではなく、細胞集団、そして生物の個体のレベルでみられる 生物リズム現象のメカニズムを与えています。このメカニズムを解明することによって、 身体にやさしい(時差ぼけの少ない)海外飛行や就労スケジュールをデザインすること をめざしています。
  2. 生体情報のビッグデータ解析とe-ヘルスケアへの応用
    心拍や活動量などの生体情報を解析して, スポーツのトレーニング管理やヘルスケアに役立てるアプリケーションが多く発表されています. しかし,その多くは3ヵ月もすると飽きられてしまうことが知られています. 私たちは生体情報の長期記録とビッグデータ解析を行って, 生理学的な知見に基づきながら,ヘルスケアに役立つ情報の抽出を行い, 次世代のヘルスケアサービスの開発を目指しています.
  3. 脳・神経回路ダイナミクス
    脳神経は、大脳だけでも100億個以上もある神経細胞が織りなすネットワークです。 神経ネットワークは、環境から受け取った感覚信号と神経ネットワーク自らがつ くり出す信号によって多彩な活動を示すとともに、ネットワークの形を変え、 成長していきます。このような性質を持つ神経ネットワークの情報処理機能とメカ ニズムを、生物実験とコンピュータシミュレーションによって研究しています。
  4. 睡眠の機能に関する脳神経活動の計測と解析
    睡眠中の脳内では、アルファ波やシータ波などの脳波と同時に、 さまざまな周波数で興奮するニューロン活動が観察されます。 この周期的なニューロン活動は、睡眠中の脳の回復過程や, 覚醒時に獲得した記憶の想起・固定において重要な役割を果たしていると 考えられています。 私たちは、神経生理実験と実験データに基づいた数理モデリング によって、このニューロン活動を制御する神経機構の解明をめざしています。
  5. 生体システム制御機構
    私たちの心拍は、常に一定ではなく、たえず速くなったり遅くなったりしてゆらい でいます。また、急に立ち上がったとき、頭に必要な血液を送り込むように、心拍 を速く血圧を高くする制御がはたらきます。この制御のメカニズムと心拍のゆらぎ には密接な関係があることが知られています。心臓と血管の制御メカニズムを明ら かにするために、心拍や血圧などの生体情報の解析とコンピュータシミュレーション を行っています。この研究は、宇宙医学や臨床診断に応用することを目的としています。
  6. 脳・機械インターフェース
    脳・機械インタフェース(Brain-Machine Interface, BMI)は, 手足の自由を失った人が自らの意思で機械を操れるように, あるいは目や耳が不自由な人が必要な情報を取り込めるようにするためのシステムです. その実現には,脳神経活動測定・刺激デバイス,信号処理システム, そして神経情報を解読するための脳理論が必要です. 私たちは,神経電極デザイン支援システムや神経信号処理アルゴリズムの開発, さらに脳神経回路モデルのコンピュータシミュレーションなどを通じて, BMI基盤技術の構築に貢献しています.
  7. バーチャルリアリティと身体性
    自分が,いまどこにいるのかを認識するとき,周りの風景や音,匂いなどの,いわゆる五感だけでなく, さっきまでどこにいて,どこをどう通ってここに至ったかという記憶, どれくらい歩いてきたかという身体運動の感覚が重要な役割を果たしていることが知られています. 私たちは,バーチャルリアリティを利用することによって, 脳の空間認知における記憶や身体感覚の役割について研究をしています.


  8. 胎児心電図を推し測る
    お母さんのお腹の中の赤ちゃんの心電図が測れれば, 赤ちゃんの健康状態をより的確に診断することができるようになるでしょう. しかし,赤ちゃんに直接触れずに心電図を測るにはどうすればよいのでしょうか. 私たちは,お母さんのお腹の上に貼り付けた電極の信号のなかに含まれる, 微弱な胎児心電図を正確に抽出するディジタル信号処理技術について研究しています. さらに,この技術を利用した診断システムの開発を進めています.
  9. 眠気推定で安全を守る
    交通事故や人的なミスが眠気と深い関わりがあることは良く知られています. 私たちは,眠気を作り出す生物時計の仕組みを実験データと数理モデルに基づい て明かにすることを目指して研究しています.これはトラック運転手,看護師, 航空管制官の方々のように, 昼夜を問わず働かなくてはならない人々にやさしい勤務スケジュールを設計するのに役立ちます. また,脳機能の発達や維持における睡眠の役割についても研究しています. これらにより健康や社会の安全を守る技術を開発することを目指しています.